裂肛①
就職を機に自分の保険証が持てたので、これで思う存分(?)病院に行けます。
ひとまず地域で1番大きそうな肛門科へ。
待合室は綺麗で女性の患者さんもちらほら。
『何も心配はいらなかったんだ』
ここで肛門科へ対する抵抗はなくなりました。
診察は切れたてでしたのでとても痛かったです。また、繰り返し切れて狭くなっていたのも原因の一つでしょう。
このころは小指の第一関節くらいの見張りイボができていました。
先生「ここまできたら手術しないと治らないよ〜。」
私「そ、そうですよねー。ちなみに料金ってどのくらいかかりますか?」
先生「うちは自由診療だから高いよー。30万くらいかな。」
しかし新入社員のため有給もない私は大きな休みが取れないこと、お金がないことを理由に手術は諦めました。
今思えばあの先生人を小馬鹿にした態度で思い出しただけでイラッとしちゃいます。
処方された軟膏でひとまずやり過ごすも排便の度の激痛は変わりませんでした。
しばらくすると軟膏も尽き、近所の外科と併設した肛門科へ受診しに行きました。
〜プロローグ〜
事の発端は10歳の頃の切れ痔にあります。
当時野菜嫌いであった私は常に便秘。
しかし便秘家系であったためあまり問題にしておりませんでした。
しかし、5日出なかったある休日。
急な便意にトイレに駆け込み、5日ぶりのご対面に安堵しつつ流そうとした際、トイレットペーパーに血が付いているのに気付きました。
幼いながらに痔の認識はあったものの、まさか自分が痔であるなんて信じられなかったのです。
『拭きすぎで血が出てしまったのだろう。』
そのくらいの軽い気持ちで親にも伝えませんでした。
これを引き金に必ずと言っていいほど排便の度にうっすらとした血が確認できました。
また、その血液は歳を重ねるごとに濃くなっていき、それに比例するように排便の痛みは増加していくのです。
そんなこともありつつ、実家を出て寮暮らしになる高校生活。
これまた共用トイレで行きたくても、トイレで誰かと出くわしたくないという拗らせた羞恥心により便秘は加速。(この時同時に膀胱炎を患ったほど)
ある日風邪を引いて1人で寮で休んでいる時、チャンスとばかりに便意が近づきました。
しかし便秘であるため排便まで時間がかかります。
いざ、出てきたと感じてからが地獄でした。
痛みにより脳貧血が起き、冷や汗がダラダラと流れます。
便器を見てみると信じられないくらいの血、血、血。
痛みに歯を食いしばりながらトイレを後にしました。
そのあとは痛みどめを飲み、安静にしながらも『自分は痔である』という事実を受け入れられずも、肛門科がどういうものであるのか、病院に行かずして改善策はあるのかなどネットで調べたのを覚えています。
この時ちゃんと病院へ行っておけばよかったのですが、
・近くに肛門科がないこと
・実家の近くにあるものの女医でなかったこと
・保険証が家族で一緒になっているため病院に行ったのがバレるのが恥ずかしいと感じること
など今考えれば馬鹿馬鹿しいことを理由に就職するまで病院へは行きませんでした。